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ハコミ・セラピー(体験談)
ハコミ・セラピーの全体像を、限られたスペースで表現するのはとても困難です。しかしとりあえず、ハコミの代表的なテクニックである、プローブとテイク・オーバーを使ったワークの様子を中心に、私の体験をかいつまんでご紹介してみたいと思います。
ある日のこと、セラピストとの一連のやりとりを通じて、私の中に深く根ざしている完璧主義的な傾向が明らかになってきました。
そこでセラピストは私をマインドフルネスの状態へとまず誘い、自分の中で何が起こるかにただ気づくようにいいました。その上で次のようなプローブを私に投げかけました。「あなたは完璧な人だ」。
すると即座に、「そんなはずはない!」という強い否定の思いが私の中で返ってきました。さらに、「もちろんそうはなりたい。でも、そんな人間はいやしない!」とも。それは自発的な、本当に深いところからの反応という感じでした。そして私は、この単純な一言を聞いただけで、「完璧になりたい」という自分と「それは決してかなわない」と思っている自分、ふたつの自分が存在していることを一瞬にして悟ったのです。
同時に私は、みぞおちのあたりにかすかな緊張を感じ始めました。マインドフルネスの状態を保ちつつ、その緊張の感じを充分に味わい、確かめました。その後、セラピストは実際に私のみぞおちに手を当て、緊張感を模倣する形でゆっくりとそれをテイク・オーバーしました(ハコミの理論によれば、このような緊張そのものの存在は尊重しつつ、それを作り出すという行為からクライアントの体を解放してあげることによって、さらに深いところにある次のプロセスが自発的に浮かび上がってくるのです)。すると今度は、何とも言えない安心感のようなものを感じ始めました。また、その手をゆっくりと離していくという試みの過程で、その安心感が不安感へと変わっていく様子を観察していきました。そして突然、私はみぞおちのところにぽっかりと大きな穴があいている感覚に襲われたのです。それは、何か大切なものがそこから抜け落ちているという感覚でした。
詳細をすべてご紹介することは不可能ですが、このようにしてワークはさらに進んでいき、次第にありのままの自分に素直に満足できない自分の姿というものが明らかになっていきました。そして、その後の数回のセッションを経て、私は「ありのままでいいんだ。完璧になろうなどと思わなくてもいいんだ」ということを実感できるようになっていきました。
そして、一連のワークを締めくくる意味で、再び同じプローブ「あなたは完璧な人だ」を試してみることになりました。すると今回は、その言葉を聞くやいなや、無意識のうちに口元に笑みを浮かべている自分を発見したのです。それは本当に驚きでした。そして私は、最初のときとのあまりのギャップに、本当に何かが深いところで変化したことを確認できた気がして、深い喜びの気持ちに満たされました。そして、そのまま大笑いしてしまったのです。
以上、ハコミの雰囲気が十分に伝わったかどうかわかりませんが、プローブにしろテイク・オーバーにしろ、通常の意識状態では何でもないと思われるような単純な言葉や行為が、マインドフルネスの状態では非常に強烈な体験を呼び起こす点は、まさに驚きでした。全体としては、「穏やかで単純なワークに伴う深い安心感」と、「深いレベルで自分自身と出会い、かつ癒されていくプロセス」というのが、私のハコミ体験の感想です。
(留学中・30歳・男性)



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