1896年、ニューヨークに生まれた彼女は若い頃、旅の途中で馬に蹴られ、高熱を出し、肺炎のような症状になりました。担当医は、治療の経過を診て、オステオパスの治療を受けさせ、ようやく呼吸ができるようになったといいます。彼女は旅から帰ると、近くのオステオパスのところに通い、そこで『体の構造がその機能を左右する』というオステオパシーの原理に関心をもつようになっていきました。
1920年代始めには、ロックフェラー研究所に勤務しながら、コロンビア大学医学部にて、生化学の博士号を取りました。そのころ、ホメオパシーとの出会いがあり、慢性化した現在の問題から順々にタマネギの皮を剥がすように古い問題まで遡って癒すというホメオパシーの「治療の法則」を深く理解したのです。
オステオパシーとホメオパシーが彼女の体に対する考え方に大きく影響しましたが、彼女の考え方の最も根底にあるのはヨガでした。身体への働きかけが感情面、精神面を含め、人間を全人的に向上させるというものです。
1940年頃、怪我で働けなくなったピアノ教師の腕を回復させたことから、彼女に助けを求める人々が訪れるようになりました。彼女は、他のエクササイズのアイディアやテクニックを学び、使えそうなものを取り入れて、ロルフィングを確立していきました。ロルフィングの最初の原理である「柔らかい組織をあるべき場所にもって行き、正しい動作をさせる」ということが発展していったのです。彼女には、様々なものを理解する能力とそれらを独自の論理でまとめ、先へ進める才能があったのです。
ロルフィングが広まったきっかけは、1960年代、ロルフがカリフォルニアのエサレン研究所を訪れたことでした。以来、多くのロルファーが育っています。
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