週末に始まるプログラムは知らないもの同士が、自然と繋がりを持つような内容になっていた。まず、世界中のコミュニティで踊られるダンスを集めたセイクレッドダンスに始まり、この一週間を共に過ごすエンジェル(小さなカードに言葉と絵が書かれているもの)を選び、“Love in Action”(愛を行動で表す)と呼ばれるコミュニティの日々の仕事への割り振りなどが独特の方法で行われていった。
私のエンジェルは白いエンジェルのまわりに水が吹き蒔かれているようなエンジェルの“Purification” 、「浄化」を意味する。なんでこのエンジェルが来たのかまるでわからなかった。が、自分のシェアの順番が来て、「ここにいることに感謝…」と行った途端に涙が溢れてきた。あとは何を話したか覚えていない。頭より先に身体が反応し、私の内側から溢れ出した。考えて理解するよりも、こうして「感じること」、それを体験すること。そういうことなのかも。やってくるものをただ経験してみよう。そう、心に決めた。
そして、私達のグループエンジェルは“Love”。このエンジェルをグループメンバーの数少ない男性の一人、ジョゼが引いた瞬間、「Wow…」というため息。グループに電流が流れて一体になった感じがした。みんなが感動し、全員がそのエンジェルが来たことを納得しているようだった。これが言霊なのかもしれない。それからのシェアリングや共同生活は全て“Love Angel”にいつも見守られているようだった。
Love in Action の担当決め。私は、最初から野菜畑で働きたいなと思っていたのでエンジェルの声を真剣に聞くまでもなくカランガーデンに手を上げたのだが、中には厳しいエンジェルもいて、一切家では料理をしない人が「エンジェルが私に言うのよ~」と言いながらキッチンに申し込む人、「私も同じよ」といいながらホームケアに入る人がいた。
これは後日談で、「私は実はエンジェルの言うことを無視してガーデンにしちゃったの。そうしたらね、色んなことが上手く行かないのよ!ごめんなさい!」と嘆く人も。別の一人は「エンジェルがいつも、あなたの仕事はこれじゃないと言うのよ」と言いながら、仲間が働いている処に来ては休憩時間に誰かを捕まえて、深遠なるスピリチュアルな世界について話し込んだりするため、さすがに途中でフォーカライザーに注意を受けていた。
そう、エンジェルに責任を押し付けて、他の人に与えられた体験の時間を邪魔してはならないのだ。
北極圏にも近いここ北スコットランドの夏。日没が10時くらいになるためか、最初の2日間はもう一ヶ月ぐらい過ごしているような気分だったが、皆も同じことを言っていた。時間の軸が日常から離れ、密度がとても濃くなっている。一瞬にして心の深いところまで到達する経験が時間の枠を超えるのかもしれない。(つづく)
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