インタビュー

ファミリー・コンステレーション バート・ヘリンガー氏 インタビュー

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【バート・ヘリンガー Bert Hellinger】
bk061925年ドイツ生まれ。神学と哲学、そして教育学を学んだ後、カソリック修道会の一員として16年間、南アフリカのズールー族のもとで教育にかかわる。その後、ウィーンで精神分析学を学び、原初療法、ゲシュタルト心理療法、トランスアクション分析、スクリプト分析、NLPおよびエリクソン流催眠療法を経て家族療法、とくにファミリー・コンストレーションに出会い、その一部をシステム的な解決をもとめる視点で深め、家族という枠にだけとらわれない現象学・システム論的心理療法に発展させた。現在、世界各地でワークショップを展開している。
バート・ヘリンガー氏はドイツで大変有名な、そして多くの人々に愛されているシステミック・ファミリー・セラピー(体系的家族療法)のセラピストです。ヘリンガー氏の働きは現代のセラピーに革命的変化をもたらしました。彼のベストセラーとなっている多くの著書は、世界各国で翻訳されています。
以下に続くインタビューで、愛の隠された法則がどのように私たちの関係や人生を決定していくか、ヘリンガー氏はそれについての知恵と洞察を分かち合ってくれます。
家族の中の問題は何か

◎最初に簡単にヘリンガーさんのワークについて説明してくださいますか?
ヘリンガー 私が主に使う手法をファミリー・コンステレーション(家族の関係配置)といいます。どういう意味かというと、グループで行なうセラピーという場の中で、クライアントは家族として適当な代理人たちを選び出し、その人たちを自分の家族の関係に基づいて実際に配置します。
これはとても簡単なことのように聞こえます。しかし、驚くことに、代理人たちは配置されるや否や、実際の家族のことを知らないにも関わらず、まるで本人であるかのように感じ始めるのです。
ファミリー・コンステレーションというこの方法を通して、それまでに考えたこともなかったような物事が明るみに出て、家族の中の問題が何かを見ることができるのです。

たとえば、もし父親(役の人)が外を見ているとしたら、父親が家族から去っていきたいという思いが見て取れます。そのようなことが他にもいろいろ起こってきます。だからこれは、その家族にとって実際の問題が何なのかを発見するために、たいへん役に立つ道具となります。
そして、ひとたびそれが開かれると、セラピストは家族の一人ひとりが心地良いと感じられるまで、そのコンステレーション(家族の配置)に介入したり、変化させたりできるわけです。
このようにして、配置を変化させることでその場で、問題を解決していきます。しかも、驚いたことに、これは実際の家族関係に影響を及ぼすのです。つまりファミリー・コンステレーションの中で問題の解決がひとたび発見されてしまうと、家族はその場にいなかったにも関わらず、実際に効果が表われ変化が起きるのです。

◎それがすごいところですね。近代のセラピーでは問題に焦点を合わせてきており、セラピストはどこに問題が隠れているかを探しますが、ヘリンガーさんはそうはなさいませんね。
ヘリンガー コンステレーションが開かれたなら、何が起きたか、何が問題なのかがすぐに見えます。そこからすぐに解決に向けて動き出せるのです。
ひとつの例をあげましょう。私はイスラエルでファミリー・コンステレーションを行ないました。父親が心臓マヒで亡くなったという家族がいました。コンステレーションの中で、その男の妻と3人の息子たちは、皆亡くなった父親の方を向いていました。彼らは皆心底、父親のところに行きたい、彼を愛したいと願っていました。それは父親を死の床で安らかに眠らせてあげることができない、手放すことができないことを意味しています。
コンステレーションを終えて2日後、その息子の一人が滞在していたインドから電話でこう言ったのです。
「やっと父さんを逝かせてあげられる」と。彼自身はコンステレーションのことは一切聞いていませんでした。このようにそれ程遠くに離れていても家族に影響が及んだのです。
◎エネルギーは跳ぶのですね。
ヘリンガー 何が起きているのか、私には説明できないのですが、セラピー後の変化を聞かせてもらえるのは素晴らしい体験です。

癌患者とのワーク

◎1999年のオーストリアで、私はヘリンガーさんが癌患者のグループにワークをされるところを見ました。その何名かはコンステレーションの中で勇気をもって解決への一歩を踏み出しました。その瞬間、とてつもないエネルギーが広がり、解放され、その人たちはとても幸福そうに見えました。観客の中にはたくさんの癌患者がおり、誰もが固唾を飲んでヘリンガーさんがどのように働きかけるかを見守っていました。
けれど、自分のワークの番が来たとき、何人かの人たちは、それまでワークを受て変化した人たちが幸福に輝く顔を自分の目で見ていたにも関わらず、自分の問題の解決法を見つけるチャンスをつかもうとしませんでした。彼らは自分の両親を前にして頭を下げることができませんでした。何が、または誰がそのような選択をさせているのか、私は考え込んでしまいました。ある人はそれをつかむことができます。そして、またある人は自分の生命がかかっているというのに、自分の両親に頭を下げるよりも死ぬ方を選択したりします。これを目撃したのはとてもショックでした。
ヘリンガー ええ、いつもというわけではありませんが、ときどき癌患者のグループでは、そのような状況が起きます。ときには両親という場合もありますが、自分の母親(母親であることが多いのです)に敬意を表すくらいなら、彼らは死ぬ方を選択したりするのです。
もし、あなたが自分の両親を尊重することに慣れているとしたら、それはとても奇妙に映ることでしょう。彼らに何があったかというと、幼い頃に母親、もしくは父親と引き離された可能性があります。または、とても小さかった頃に母親が亡くなっているということもあります。もし、彼らがそのような別離を経験して来ているとしたら、彼らは怒りか絶望を味わっているのです。そして、それはある種の愛なのです。もしそれほどまでに母や父に恋いこがれなければ、その怒りはそれ程強大とはなりません。ですから、コンステレーションの中で、母親役の人が他人であるとわかっていても、彼らはその当時の怒りを追体験してしまうことになります。その怒りが内面に押し込められているからこそ、彼らは母親や父親への敬意や愛から遠ざけられているのです。
彼らがそのバリアーを乗り越えるのを助けるためには、特別なエクササイズを必要とします。セラピストである私たちは、その方法を時折行ないます。そのひとつは、その人がその出来事を経験した時まで遡らせるというようなエクササイズです。それを行なった後にその人が母親に、本当に近づくことができるような手助けをするのです。もし、そうすることができたなら、彼らはとても安心します。
◎救いはあるのですね。
ヘリンガー 救いはあります。しかし、その場合眺めているだけでは十分ではありません。彼らはそれ以上の何かをする必要があります。しかし、時には彼らがその過程を眺めていながら、それでも抵抗を示すことがありますが、その後にも魂は働くのです。魂は働き続け、後になって解放されることもあるのです。
私は一度、母親に頭を下げることを拒絶する乳癌を患っている女性にワークをしたことがあります。
私は彼女に言いました。『あなたは自分の母親に頭を下げるくらいなら、死ぬ方を選ぶのですね』と。すると彼女はかんかんに怒りました。ですが、私は後に彼女のかかりつけのセラピストから、1年をかけて1インチずつ彼女は頭を下げることを学んでいったと聞いたのです。
代替医療の医者である彼女の夫も、対症療法の薬品に頭を下げることを学び、彼は妻を化学療法を受けるように送りだしました。それによって、彼女は回復したのです。

ワークの後も魂の内側の動きは続く

◎それは素晴らしいお話ですね。ワークショップの過程で、ときどきクライアントとのワークが継続ができなくなったりすることがありますね。クライアントに何らかの限界があるかのようです。私は、その後このクライアントは一体どうなってしまうのだろう、この状態に置き去りにされてしまうのだろうか、それとも他に何かあるのだろうか、と思っていました。でも、魂はその後にも働き続けるというのは、何て素晴らしいことなのでしょう。
ヘリンガー ええ、ワークショップは魂の内側の動きの始まりに過ぎないのです。そして、クライアントが去っても、その魂の動きは継続します。私たちはその動きを信頼することができるのです。ですから、それはより良い方向へと向かうのでしょう。
◎先生は種を蒔いているのですね。
ヘリンガー その通りです。そしてその種は芽を出し、育ち、いずれ果実を結びます。
◎現代のセラピーでは、セラピーの現場ではいわゆる解放されたり、以前より良くなるということがありますが、自分の家庭に戻り、以前の環境や条件に立ち戻るや否や、元の木阿弥、また、同じような問題の中に入ってしまうことがあります。
ヘリンガー それは多々あることです。なぜなら、現実の環境において彼らは異なったルールに従わなくてはならないからです。わかりますか。そして、それらは彼らの健康に反することにもなり得ます。
しかし、ファミリー・コンステレーションを体験すると、体験者の家族も変わります。自分の家族の元に帰った時にも、前とは違う状況を発見することができるのです。
◎クライアントは自分自身に働きかけているだけではなく、全家族の全エネルギー領域に働きかけているということなんですね。
ヘリンガー そうです。そうです。

◎私はときどき先生のワークショップで気がつくのですが、先生がクライアントに働きかけた後、途方もない愛のエネルギーの波が現れますが、そのポイントに辿り着く直前の彼らの顔には恐れのようなものが見えたります。クライアントは恐れを直視し、また通り抜けなくてはいけないものなのでしょうか。愛に辿り着くためにはいつも恐れを乗り越える必要があるのでしょうか。
ヘリンガー そうとも言えますが、私なら違う言葉を使いますね。もし、人が問題を抱えているとするなら、それは普通その人が、敬意を表したいとか、対等になりたい、または近づきたいという、つまりは、相手を愛していることによって問題を抱えてしまうのです。
そこで、もしセラピストが何か、その人の問題を変化させるために助言するとします。しかしその人は、問題がなくなることで、その相手とのつながりを失ってしまうのではないかと恐れるのです。ですから、彼は怖がり、抵抗を見せるのです。
しかし、セラピストが彼に、「その相手も同じくらいあなたを求めており、最終的にはあなたが問題を解決することで、相手も安心するのだ」と指し示すことができるなら、その人は喜びをもってそれを成し遂げることができるのです。その解決法は、実はその人だけが望んでいるのではなく、相手も同意しており、変化を祝福しているということを、コンステレーションの中で見せてあげられるのです。
家族内の主要な問題が解決されると、彼らはお互いを尊重し合うようになります。そして、亡くなった人にも敬意を払うようになります。過酷な境遇に生きなくてはならなかった人たち、家族から追放されてしまった人、または忘れ去られてしまっていた人たちをすべて尊重し、これら家族のメンバーの全員に対し自分のハートの中に居場所を与えることができるなら、その人自身、自由を感じることでしょう。それによって彼らは自分自身を初めて自分が望む通りに評価できるようになるのです。人は家族のメンバーを拒絶するのではなく、包含することで本当の自由を達成するのです。

幸福な家族とは

◎私は以前、語学教室を経営していました。必然的に子どもの母親たちと多くのカウンセリングを行なうことになったのです。そして気づいたのですが、ある程度までの幸せというものはあるようですが、完璧に幸福な家族には出会ったことはありません。完璧な家族というものはあり得るのでしょうか。人生の質を向上させたり、自己を成長させたりすることは可能なのでしょうか。
ヘリンガー そうですね。幸福というものは両親がどのように自分の子どもたちと関わり、子どもたちがどのように両親と関わるかに大きく関わっています。
もし両親が子どもたちを、自分自身の何かを彼らが受け継いでいくことができる者として見るなら、そして子どもたちを愛と良い願いで祝福するなら、子どもたちは十分に幸福を感じます。
また、もし母親が子どもたちを見る時に、子どもたちの中にその子の父親を見ることができ、子どもの中の父親を愛するなら、それは子どもに幸福を感じさせます。もちろんその逆もまたしかりです。もし夫が子どもを見る時に、その子どもの中にその母親を見ることができ、子どもを愛する時にその母親も愛するなら、子どもはとても幸福に感じるでしょう。子どもが両方の親とこのように関わり、両方の親と一緒にいることを安全と感じるなら、それは子どもたちを十分に幸福にします。

◎母親、または父親が自分の子どもたちを愛したいと心底願いながらも、何かの力が働いて自分の子どもを真直ぐに愛することが妨げられる場合もあるように思います。 ときに親たちは愛することができ、ときにできないということがあります。彼らにそれを選択させる決定要因は何なのでしょうか。彼らに選択というものは果たしてあるのでしょうか?
ヘリンガー 日本人はたとえばアメリカ人やドイツ人のように自分の感情を自由に、表現することは許されていないと、日本人に働きかけたことのあるセラピストに聞きいたことがあります。これは喜びや幸せのためにはハンディキャップであると言えます。またその友人は不思議な観察もしたそうです。そのファミリー・コンステレーションの中で、日本人がヨーロッパの人間の代理人をした時には感情を自由に表現できたというのです。その逆のケースもあり、ヨーロッパ人が日本人の代理をファミリー・コンステレーションの中で務めた時には、彼は感情を表すことができなかったそうです。それは、その人が生きているモーフォジェネティック・フィールド(形態場)がそこにあるということです。そのフィールドの中では、ある種のことは許されず、別のある種のことは許されるのです。
物事を可能にするためには、時に外部からの働きかけを必要とします。もしある国の文化が他者を同等と受け入れるなら、その国の人々は自分たちには不足している何かを他者から受け取ることができ、また他者にとって欠乏している何かを与えることができることになります。
たとえば日本人の統制する能力は、時に他の国の人々にとってとても価値のあるものとなり得ます。また一方ではもちろん、感情を豊かに表現することはたくさんの日本人にとって役に立つことでしょう。

◎私たちは一度日本で小さなファミリー・コンステレーションのワークショップをやりました。参加者の中に、かつて自衛隊で勤務していたことのある若い男性がいました。早産で生まれることのできなかった子どもの役割りをした時、彼はまるで西欧人のように何も抑えることなく泣いていました。その瞬間日本の文化的条件づけなど一切、彼の中に発見することはできませんでした。彼自身驚いていたといいます。彼が赤ん坊のように泣いたというわけではありません。しかし、彼の全存在が泣いているかのようでした。
ヘリンガー それは素晴らしい。
◎はい、それはとても美しい光景でした。同時に彼自身の中の何かも解放されたように私は思いました。
ヘリンガー 一度でもそのような感覚とつながりをもつと、それはその人自身の内側に広がります。ある人々は感情を表すことで弱い者になってしまうと考えますが、実は強い者だけが真に感情を表現することができるのです。
◎日本では人は、成長するにつれ、自分のありのままを見せることができなくなっていっているようです。しかし、私たちも子ども時代にはかなり自由に感情表現ができていたのです。子どもや、赤ん坊、産まれることのできなかった赤ちゃん(注:ファミリー・コンステレーションで目撃された場面を元に言っている)は、形態場の領域(社会的エネルギーの条件づけの範囲)から自由なのでしょうか?
ヘリンガー そうです。彼ら、すべての子どもは自由と共に産まれます。
◎今西洋と日本人の表現の違いについて話がありましたが、文化の違いや条件づけについて事前に知っておく必要はありますか?
ヘリンガー いいえ。ワークを始めるとすぐに私は見つけてしまいます。通常、主となる条件づけは同じです。人々は自己の良心に従っています。それがどういう意味かというと、彼らは自分たちが所属している特定の社会に当てはまる価値に従っているということです。そして彼らがその価値に従っている時は良心に心地良さを感じ、従っていない時には気が咎めるのです。
人は、所属するためにその特定の家族、文化の価値に従わなくてはなりませんし、それに敬意を払わなくてはなりません。

人は自分が一番だと思っている

◎15年程前、私は3年間ニューヨークに住んでいた事があります。それまで、自分が日本人であるというだけで価値があるとか、尊敬に値すると自分に対してのある種思い込みというか、イメージを抱いていました。結局、そこがニューヨークであったことから、私はその思い込みを手放なくてはなりませんでしたが、私はとてもたくさんの日本人が、同じような思い込みを抱いているのを目にしました。私が疑問に思うのは、世界中の人々がそれぞれ自分が生まれた国だというだけで、私がもったのと似たようなイメージを抱いているのだろうかあるいは、これは日本人に限ったことなのか知りたいのですが。
ヘリンガー ええ、それはすべての文化に見られることです。人は誰でも自分が一番だと思っているのですね。
たとえば、多くの国が『人』、『人間』を表す言葉をもっています。それは『我が民族出身の』を意味します。それ以外の存在は人間とはみなされないということです。
または、たとえば、あなたがある家系の出身であることから、あなたは自分の家系が最も優れていると思います。他の人も良い、自分と同じ程度に良いと発見するにはある程度の時間がかかるものです。(笑)
他の人々、他の家族、他の文化にもそれぞれ価値があると認めることで、私たちはより豊かな人間となることができます。そして私たちが自分の方がより優れていると感じることなく、ただ対等であるとするなら、私たちが差し出さなくてはならないものに対し、他者の側にも受け取る用意が生まれてくるのです。

先祖との関係

◎日本では多くの人が自分のご先祖を祀ります。家には、ご先祖様を祀る小さな霊廟(神棚、仏壇)があり、水と小さなお椀にいれたご飯を供えます。私たちはご先祖に自分や自分の愛する人々を見守ってくれるように、安全に保ってくれるように、そして幸福や健康の保証をお願いするのです。その先祖、私たちの前に生きた人々の立場とは一体何なのでしょうか。また現在、過去、未来において彼らとつながりをもつことの意味は何なのですか。
ヘリンガー 私はそれはとても美しいことだと思います。私たち自身の祖先、私たちの先駆者を敬うという行為は、西欧社会で失ってしまった何かです。ファミリー・コンステレーションを行なう中で、一度彼らが祖先を自己の内に取り入れ、繋がりを感じると、その人はとてつもない強さを得るようです。それは大いなる助けとなります。質問なのですが、あなた方は自分の祖先の方々を怖がったりすることもあるのですか?彼らは恐い存在でもあるのですか?
◎はい、そういう場合もあります。
ヘリンガー もし、そうだとするとそれはもちろん、私たちを祖先の人々から分断させてしまいます。ファミリー・コンステレーションの中で、もし私たちが彼らにきちんと敬意を示すなら、彼らはいつも親切で、私たちが彼らを怖がる必要がないことを現実に見せてくれます。
◎日本の一般の人々、心理学、精神療法についてよく知らない人たちは、もしかしたら先生のお仕事を、心霊療法というか除霊術のようなものと混同する可能性もあります。というのも、ファミリー・コンステレーションの場では本人でない人が、事前に何も情報がなくても、本人が言いそうなことを言ったり、あるいはすでに亡くなっている人の役をやる人もいて、しかもそれが効果的に働いているのですから。
ヘリンガー ええ、そうですね。霊的な現象は他の国の文化でも見ることができます。たとえば、他の場所よりも頻繁に事故が起きる場所というのは存在しますね。それをよく調べてみると、たとえばその近くが戦場であったということが分かったりします。また、ある場所ではそのような事故が繰り返されないようにするために、何か浄めの方法を必要としたりします。
しかし、エクソシズム(邪気祓い)とは反対に、私が行なうこのような手助けの方法には、私たちがそのような特定の場所で亡くなった人々に敬意を払い、彼らに祝福を求めるというような意味があります。ですから、その魂の上に良い影響をもたらします。そして、その出来事の起きた場所にも良い結果をもたらします。
◎なるほど、そこが違いなのですね。普通、エクソシズムや霊との交信では亡くなった人たちの魂が尊重されるというようなことは少ないです。
ヘリンガー 例を挙げましょう。イギリスのある城には幽霊が出ます。あなたが尋ねるなら、彼らは答えます。その場所で殺人があったことを。もし殺された人々が敬意を払われるなら、それらの幽霊はそこを去ることができると。もっとも、もちろんこれは科学的ではありませんが、ファミリー・コンステレーションによって明らかになることのひとつです。特に過酷な運命の人々や殺されたり、犯罪の被害者となった人々に対し、もしあなたが敬意を払うなら、そして彼らの運命に対し、彼らと一緒に悲しむことをいとわないなら、あなた自身の魂にも良い結果をもたらします。
私はどのような制限ももっていません。他の人と関わる中で何が助けとなるものなのか、愛が本来もっているその法則を理解する人なら、誰でもこの方法を使っていいと思っています。本当にそれを望んでいます。
◎ヘリンガーさんのお仕事と、現代の一般的なセラピーの違いを説明していただけますか。私は今までにセラピーのセッションやグループのワークショップにおいて、これほどまでのエネルギーや愛がその場を満たすというのを感じた事がありません。
ヘリンガー たとえばフロイドに従っているセラピストたちは、人間というものを個別の人間と捉えています。人が何を感じていて、どこで抵抗するかということが中心です。彼らは個々の人間に焦点を合わせているのです。ここに仕事の違いがあります。なぜなら、ファミリー・コンステレーションでは個としての人間をそれほど深く覗き込んだりしません。ここでは個としての人間を家族の一員として見、この人がどのように家族によって影響を受けているかを、色々な角度から見るのです。もし、家族の中に問題があった場合、その問題をその人が見せているに過ぎません。あなたが個に対して当てていた焦点を、家族の全体像へとシフトさせるなら、解放されるエネルギーは、あなたが個に対して働きかけるよりも遥かに膨大なのです。
◎ファミリー・コンステレーションに出会う以前の私は、いつも自分が断ち切られているように感じていました。私は両親からの愛情を完全には信頼できなかったのですが、今はそれが十分に理解できます。
ヘリンガー そして、もちろん今のあなたは幸せですね。
◎ええ、もちろん。
ヘリンガー それが私たちがここまで話してきたことのひとつの大きな例というものです。
◎ありがとうございました

※バート・ヘリンガー氏とのインタビュー
2000年6月7日アメリカ、ワシントンD.C.
2001年5月12日ドイツ、ペンツバーグ、Zistにて

※インタビュア チェトナ・M・小林さん

※この記事は「2001年9-10月発行フィリ58号」に掲載されたものです。掲載内容の最新情報は該当ホームページ等でご確認ください。

この記事を書いたひと
フィリ編集部

フィリ編集部

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フィリは、ニューエイジ・ムーブメント、精神世界、 トランスパーソナル心理学に関するワークショップ、 セミナーのリアルタイム情報誌『FILI』として、1990年~2002年まで定期刊行を続けてきました。 まるでコンサートに行ったり、映画を見るように、 こうしたジャンルのセミナーやワークに気軽に参加できるようになれるといいね、 と精神世界の『ぴあ』を目指して有限会社フィラ・プロジェクツが1990年に雑誌としてスタートしました。
内容は、日本で実際に参加できるワークショップやセミナーなどを紹介する情報に加え、 アメリカ情報、ワークを受けた体験記などのページと、 自分の中心をしっかりもって意識的に生きている人々のインタビュー記事で構成しています。

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