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アート・セラピー

アート・セラピー(体験談)

アート・セラピー画像

私は教師生活6年の仕事にピリオドを打ち、今は病人と姑、子どもたちの世話に明け暮れる結婚生活11年目の主婦です。アートセラピー・インストラクターコースに学び、セラピストとして再就職することを決めてこのコースに臨みました。それにまた、セラピストとしての傾聴トレーニングをマスターし、人と接する術を学ぶことで夫と子どもが変わってくれるといいなと思っていたのです。家では嫁として、母、妻として一人で何でも抱え込んで倒れるまでがんばる私がいました。
アートセラピー・インストラクターコースは、12回のセッションの中で夢分析をはじめ、風景構成法、HTP法(家、木、人を描く)、バウムテスト(木を描く)、なぐり描き法、家族描画など、毎回4、5枚の絵を描く中で、体験的にアートセラピーのテクニックを身につけていきます。
初回にオートマチック・ドローイング(自動書記法)といって、自分の中にある喜怒哀楽の感情エネルギーに焦点を合わせた絵を描くセッションがあります。強いタッチやストロークで叩きつけるように描いた私のドローイングに「猛烈なエネルギーと可能性と独創性があるけれど、基盤がないですね。よほどしっかりした目的をもっていないと、中途で挫折するかもしれませんね」と講師の先生から指摘されたときは、体中の血が凍る想いでした。何でそんなことまで絵でわかるんだろうというのが素直な感想だったのです。私が強迫的に生きてきたことや、反面、力が出ないで無気力になってしまうことを思い出しました。
刺激語による連想イメージを絵にして、絵のシンボル(象徴)がどうしてできてくるのかを見てゆくセッションでは、画用紙の両面にカラフルな明るい色のみを使って、10枚の絵を仕上げました。そしてその内容分析に入ったとき、愕然としました。そこには、暗い影の色が使えず、明るく人によく思われたい自分が表れていました。また帽子や水車や、毛糸玉に表される丸いものを絵のシンボルとして描くことで、人間関係を丸く収めようとしている今の私に直面しました。しかし、丸はマンダラを表し、人生の転換期を意味する場合もあり、今の家庭生活での私のがんばりは、もうこれ以上できない、変わりたいという想いが初めて出てきました。
幼少期のエピソードを描くセッションでは、銀行員だった父が脱サラし、両親がけんかをしている場面や、注目されたいがために、いい子にして周りに合わせてしまい、がんばり屋になっている場面、気の強い母みたいにはなりたくないと決めた場面などが表れてきました。
サイコドラマ(心理劇)は、夢をドラマ化することで問題解決のメッセージをもらいます。ここでも自分をがんじがらめにしている姿に直面し、母を許すとともに自分をやっと受け入れ許すことができました。そしてこのテーマは、ユング心理学のセルフとしてのパーソナル・マンダラを描くセッションで、私の中のやすらぎに変容していきました。「ああ、私にくつろいでいい。休んでいい」ため息が出ました。
そしてあんなに夫や子どもが変わってくれたらいいと思っていた私が、反対に変わってしまったのです。張りつめていた力が抜け、夫や子どもたちに愛されているんだ、生かされているんだ、なんて幸せなんだろうという想いが溢れてきました。
6カ月のコースを終了する今、よく広島から11時間かけて通ったなと思います。そしてその間、就職に向けての実習活動を徹底的にサポートしてもらい、就職も勝ち得たのです。公立の精神病院で絵画療法スタッフとして非常勤の職につき、また精神科作業所の指導員として、学んだアートセラピー・テクニックを実際に役立てることができています。
(主婦・30代・女性)

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