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~こころ軽やかに~
豊かな人生を創造したい人へ
フォーカシング

フォーカシング(体験談)

フォーカシングは一人でもできますが、手続きを進めていく上での進行役(リスナー)がついても可能です。シチュエーションは、リラックスできる状況があればいいだけで、特別用意するものもいりません。今回は、大学などで心理学を教えていらっしゃる先生に、進行役になっていただきました。
進行役(以下カギカッコのみ)「細く長く息をして、心を落ち着かせて下さい。体の中にある老廃物をすべて出してリラックスしてみましょう」
僕は言われたままに余計なことを考えず、ピュアな状態に自分を近づけます。
「さあ、落ち着きましたか。それではあなたが今抱えている気がかりな問題を頭に思い描いて下さい」
僕の頭の中には、些細なことから、大きな悩みまで、さまざまな事柄が浮かびます。
「問題が浮かんできたら、そのうちのひとつを選んで下さい」
僕はずっとモヤモヤしていた問題をピックアップしてみました。それは学校卒業後、定職につかずある勉強を独学で続けていたことに起因する、世間の冷ややかな目のことでした。
経済的には親の援助もあり、なんとか生活はできるのですが、それに対して、周囲から冷たい視線を浴びるということです。「今度はその問題に少し距離を置き、内面に意識を集中して、体がどのように感じているかを感じて下さい。それは抽象的なものでも曖昧なものでもいいです」
僕は問題に対し、漠然とはしているが、何だかやり場のない不安な感情(フェルトセンス)を感じていることを発見しました。

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「今度はその感情を表す言葉やイメージを探してみて下さい。とりとめのない感情に言葉を与えてみて下さい」
僕は、体が感じるその曖昧な感情は何なのだろうか、どうして体は不安を感じているのだろうか、と考えてみました。そしてその感情に『世間体』という言葉を当てはめてみました。いい年をして定職につかない自分に向ける世間の目が体を不安にさせているのでしょうか。
「その言葉がフェルトセンスをぴったりといい表していますか。もし、そうでなければ、他の言葉を探してみて下さい」
いや、そうではないようです。『世間体』は確かに気になりますが、不安の理由はそれだけではない気がします。では『将来への焦り』でしょうか。いやこの答えもしっくりきません。さて、しばらくこの作業を繰り返していると、突然思いもよらぬ言葉がでてきました。『非生産的』と。そうだ、自分は何も生産的な行為をしていないではないか。友人、知人はそれぞれの分野で何かをクリエイトしているのに、自分は消費をするだけで何も産み出してはいない。社会に対して何の生産的行為をしていないではないか。社会は私を必要としていないのか。僕は気づきました。そのもどかしさが、無意識の体を不安にさせていることに。
「浮かんできたその言葉やイメージが先ほどのフェルトセンスを正確に表していたら、それを素直に受け入れて下さい」
僕は『非生産的』という言葉を通して〈頭=意識〉で考えていた漠然とした問題に本質を見出した気がしました。かつてはなんだか曖昧モコとしていた不安の雲が、パッと開けた気分がしてきました(フェルトシフト)。
「その感情は、フォーカシングをする以前のものと大きく違うはずです。体は頭よりも解決策を知っているというのが、フォーカシングの基本的な考え方なのです」
問題そのものはまだ何も変わってはいませんが、僕は確かに、非常に晴れ晴れとした気分になったのです。
(20代・男性)

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