ボディワーク(詳細)
肉体を超えた「身体」
秘教的な伝統から派生したワークもある。いわゆる「気」や「オーラ」といった生体エネルギーや、そのエネルギー・ポイントである「チャクラ」に対して働きかける手法は、世界中の宗教的伝統や伝統療法の中に見られるものである。こうした手法が主として先進諸国で現代的にアレンジされ、さまざまなワークが生まれた。生体エネルギーに働きかけるワークを、とりあえずエネルギー系のワークと呼んでおこう。こうしたワークには、歴史的な伝統とは直接関係なく、創始者が生体エネルギーを感じることができたために生み出されたものもある。
エネルギー系のワークには、レイキ、ポラリティ・セラピー、カラーパンクチャー、気功、エネルギー・ワーク、オーラヒーリングなどを含めてよいだろう。いずれも、肉体を超えた次元のエネルギー身体(俗にいう微細体、幽体、霊体など)に流れるエネルギーの滞りを取り除いたり、エネルギーのバランスをとったり、エネルギーを浄化したりすることで、心身の癒しを実現する。
脈拍に働きかけるチベタン・パルシング・ヒーリングやジンシンジュツ、頭蓋仙骨独特のリズムに働きかけるクラニオセイクラル・ワークなどは、ボディワークとエネルギー系のワークの中間的な位置にあると考えてよいだろう。
近年、ボディワークの多くがこうした生体エネルギーにもアプローチするようになっている。特にサイキックマッサージなどはその傾向が強いといえるが、最近では西欧の伝統手技であるオステオパシー(整骨)の中にもエネルギー・ワーク的手法が見られるようになっている。
また、ワークの考え方の中では、生体エネルギーへの働きかけが強調されていなくても、体、心、エネルギー身体は密接に結びついているため、ボディワークはエネルギー身体への影響を当然及ぼしていると考えられる。
心と体が変化すればエネルギー身体も変化するし、エネルギー身体が変化すれば心と体も変化する。そういう意味で、心、体、エネルギー身体を分けるかのような、ボディワークとかボディワーカーという呼称を嫌う施術者もいる。
体にタッチすることを通して、深い内的なリラックスと瞑想を目的とするコンシャスタッチのような新しい概念も出てきているように、これまで挙げてきたような身体技法全般は、より繊細に、統合的な方向へと進化しているといえる。

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