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心理学系のワーク

心理学系のワーク(詳細)

今・ここでの気づき

精神分析の考え方は、いろいろなセラピーの根底に流れている。その一方で、ある意味では精神分析に対するアンチテーゼ的な意味合いをもつセラピーも生まれてきた。たとえば、フリッツ・パールズによるゲシュタルトセラピーでは、ただ過去のトラウマを探るのではなく、その問題を「今・ここ」にもってきて、気づきの光を当てる。ゲシュタルトセラピーのこの姿勢は、多くのセラピーに影響を与えている。またロールプレイやヴォイスダイアログでも、問題の原因を、その場で演劇的に表出させ、即興の自然な流れの中で解き明かしていく。
ロジャースによるクライアント中心療法の姿勢も重要であろう。ロジャース派のカウンセリングにおいては、セラピストはクライアントの自発性を尊重し、決して変化を強要するような態度をとらない。このような、押しつけのない態度は、良心的なセラピーおよびセラピストには、ほぼ共通した要素であるといえる。
今・ここでの気づき、押しつけのないセラピストの態度は、フォーカシング、ハコミ・セラピー、センサリー・アウェアネス、POP、エンカウンターなどのセラピーにも共通するアプローチである。

心のモデル化

即興性の高いセラピーは一般に理解されにくく、またセラピストの技量に大きく左右される面も多い。そこである程度、心理をモデル化し、システマティックに捉えることで一定の結果を出せるようにするというアプローチの方法も出てくる。システムなどというと非人間的な響きがあるかもしれないが、捉えどころのない心というものを理解しやすくするツールと考えてみよう。
代表的なものには、「親」「大人」「子供」の三つの自我状態で心を捉えていく交流分析や、九種類の性格タイプを提唱するエニアグラム、「自己成長の三角モデル」を内面探求の道標として用いるヴィジョン心理学、筋肉反射を利用して脳と「対話」することから「感情のチャート」を見い出したスリーインワン・コンセプツ、下意識のプログラミングを書き換えるNLPなどがある。心の中にいる傷ついた子どもを癒すインナーチャイルド・ワークの姿勢も含めてよいだろう。
これらのワークについての本は、理解しやすいこともあってか一般に広く読まれており、心理学の裾野を広げる役目も果たしている。 他方、1960年代以降、アメリカで台頭してきたトランスパーソナル心理学は、変性意識状態の研究をもとに、個人の枠を超えた領域をも含む、広範な意識の地図を提供している。

特定の状況や問題にフォーカスする

最近では、日常生活で遭遇する特定の状況や問題にフォーカスしたワークも一般的になってきている。本章で紹介する、恋愛とパートナーシップのワーク、女性性・男性性のワーク、豊かさのワーク、家族関係のワーク、死を看取る・迎えるためのワーク、PTSDのためのワークなどはその例である。
このように心にはさまざまなアプローチがあり、どのセラピーが自分に合うかを見抜くのは難しい。しかし、それを自発的に自分の意志で決めることこそが、よりよい生き方を目指すセラピーの第一歩なのかもしれない。

(文と図:森かなめ&編集部)

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