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~こころ軽やかに~
豊かな人生を創造したい人へ
箱庭療法

箱庭療法(体験談)

箱庭療法画像

私の前に大きな箱が運ばれてきました。タンスの引出しをひとつ持ってきたような感じの箱です。中は青でした。それからバケツが2つ。両方とも8分目くらいまで砂が入っていて、粒子の荒いものと細かいものとで分けてあります。目の前の棚には、数え切れないほどの建物や人や動物のミニチュアがところ狭しと並べてあります。
その棚をぼーっと眺めている私にセラピストは、「自分の好きなように作品を創ってください」と言ったきり何も言わなかったので、私はどうしたものかとしばらく何もしないでいたら「いいんですよ。自分の思った通りにして下さい。私に断る必要はありませんよ」と言ってくれたので、私はようやく創作に取りかかりました。私が作品を創っている間も、セラピストは何も言わずにじっと私が創る庭を見ていてくれたので、集中して創ることができました。
箱の青い色を見たときから、私の頭の中には川が浮かんでいました。まず、箱の右上と左下に細かい砂を敷き、箱の中を斜めに川が流れているようにしました。川ができてからはどんどんイメージが広がっていって、棚にあるミニチュアから自分の想像に近いものを探しては箱をうめていきました。
できあがった作品は、動物、鳥、魚そして人間がみんな同じ方向を向いて前に進んでいるといったものです。創っているときは、何だかとても楽しい気分でした。その後、セラピストからいろいろと質問を受け、作品のイメージが膨らんでいきました。川の先には海があって、みんなそこへ向かって歩いています。たどり着いた海にはどこまでも水平線が続いていて、朝日が顔を覗かせています。そんな光景を動物も人間もみんな一緒に、黙っていつまでも眺めている…。私がそこまで話すとセラピストは、「私にも(光景が)見えますよ」と言ってくれました。私は何か安心したような、嬉しいような感じがしました。
私の創った作品の中で、創っているときから気になる存在、というかこの庭の中心的なモノがありました。黄色いコートを着た女の子のミニチュアです。「この庭の中で、何かひとつに注目するとしたらどれを取り上げますか」というセラピストの問いかけに、私は真っ先にこの女の子を選びました。セラピストはこの女の子について私に質問をし、私はそれに答えるうちに、私の中の彼女のイメージがどんどん膨らんでいくのがわかりました。私のいるこの部屋に彼女がいるとしたら、という質問には私のすぐ左隣だと答えました。私は彼女のいるだろう場所に移動し、その子になります。そして感じることを、セラピストの質問に答える形で言葉にしてみました。
私(女の子)はひとりで歩いています。周りは騒がしいようだけど、あまり音は耳に入ってきません。先に道が続いています。進むのがちょっと不安です。でも進まなきゃいけない。足取りはしっかりとしています。前は霧ではっきりとは見えませんが、進むことしか頭にないんです。
私は最初にいた場所に戻りました。私は彼女に「勇気をだして、そのまま頑張って進んでね」と声をかけたくなり、彼女がいる左側に向かってその気持ちを言葉にしてみました。その後、「この女の子はあなたの心の一部なんですよ」とセラピストに言われ、私の中で謎が解けたような開放感がありました。言葉をかけたとき、私自身も励まされたようなすっきりとした感じがしたのです。この気持ち、忘れないようにしたいと思います。
(専門学校生・20歳・女性)

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