エニアグラム(詳細)

9つの性格タイプ

具体的には自分の性格タイプを知るために、180問のチェックがある。これで一番当てはまる数の多いものが、自分のタイプということになる。しかし、「こうすべき自分」と取り違えてしまうとタイプ誤認の恐れがある。
ワーク・ショップでは、タイプ別にグループを作り、絵を描いたり、意見交換をするなど、いろいろな場面で9つのタイプを体験できる。こうして、正確に自分のタイプを発見する。以下、9つのタイプに触れてみよう。

タイプ1．主義をもち、規律正しく、完全主義である。自分の考えにしがみつく。
タイプ2．世話好きで寛大だが、恩着せがましく、うぬぼれが強い。
タイプ3．自信に満ち、競争好き。人に受けがよいが、計算高く、情が薄い。
タイプ4．創造力に富み、直感的で内向的。平凡であることを嫌い、人生と自己に幻想を描く。
タイプ5．洞察・理解力に優れ、分析的で変わり者。研究、学問好き。
タイプ6．人に好かれ、忠実で依存的。優柔不断で、とらえどころなく、用心深い。
タイプ7．才能豊かで、衝動的、極端。外向的で、慣習にしばられない。
タイプ8．度量が大きい。自信過剰で、力にあふれ、闘争的、破壊的である。
タイプ9．穏やかで、人を安心させる。忍耐強く、気取らない。安易に流され過ぎる。

誰もが否定したくなるイヤな性格の部分が、かなり厳しく出てくることもあって、「私って、ひどい性格してる……」と落ちこんでしまいそうなところもある。けれども、それを知ることで、ひどい状態に陥ったときの自分のことを冷静に直視でき、そうならずに済む回避の方法が発見できるようになる。
エニアグラムは、職業、性別に関係なく、「自分探し」をしたい人には試してもらいたい。特に営業、人事関係、教師、弁護士、医師、看護婦など、人に接する機会の多い人たちには、大いに役立つだろう。ただ、タイプで自分や他人を決めつけすぎて、本来のエニアグラムの意義を忘れてしまう、このことに気をつけて欲しい。



『エニアグラム入門』
P・H・オリアリー、M・ビーシング、R・J・ノゴセック著
堀口委希子、鈴木秀子訳
春秋社

『性格タイプの分析』
ドン・リチャード・リソ著
橋村令助、俵晶子訳
鈴木秀子監修
春秋社