セラピー・ヒーリングサロンの検索 フィリ/FiLi

~こころ軽やかに~
豊かな人生を創造したい人へ
フォーカシング

フォーカシング(詳細)

悩みに対して体はどう感じるか

フォーカシングの具体的アプローチはきわめて容易だ。まず頭の中で抱えている「悩み」をあくまでも自然にひとつずつ思い描き、そしてそのうちひとつを選んでみる。そのとき、その「悩み」に対して体はどういう反応を示すかを観察する。それは大抵の場合つかみどころのない漠然とした感覚になるだろう。たとえば落ちつきがなくなるとか、胸がムカムカするとか。それがフェルトセンス(感じられた感情・気分)だ。次に、その感情全部を適切に表すような言葉とかイメージが出てくるのを待つ。そのフェルトセンスに焦点を合わせ、体はどんな感覚的感情を示すか、それにぴったりとした言葉なりイメージを探す。例えば言葉としては「不安」「恐怖」など。次にそうして浮かんだ言葉なりイメージが本当に自分のフェルトセンスを表現しているかどうかを、再び無意識の世界に焦点を当てて確かめてみる。もし、フェルトセンスを充分表現しきれていないときは違う言葉を再び探す。これを何回か繰り返す。そして、それがまさに的を得ているなら、今までこだわっていたことに、気が流れるように感じられる。漠然としていたフェルトセンスに言葉を与えることによって「悩み」の本質が明らかになり、先ほどまで意識の中で暗くのしかかっていた「悩み」は、不安なのは当然だ、それほど深刻にとらえる必要もない、と気楽になる。それをフェルトシフトといい、フォーカシングの一応の到達点となる。これによって問題の本質が変わったわけではない。依然として問題はフォーカシングを始める前のままである。しかし、体の中では有益な変化が起きている。「体=無意識」に注意を向けることで「悩み」の種類は変質し、体に対し自然な状態が蘇ってくるのだ。
フォーカシングとは、決して大上段に構えた難解なセラピーではない。体に劇的な変化が起こることを期待するものでもない。ほんの少しの意識転換で、悩みや不安といった問題の本質を明らかにさせ、解決への手がかりを与えてくれるという、手軽で応用の効くテクニックなのである。



『フォーカシング入門マニュアル』
アン・ワイザー・コーネル著
村瀬孝雄監訳
金剛出版

『フォーカシング指向心理療法』
ユージン・T・ジェンドリン著
村瀬孝雄他監訳
金剛出版

印刷:フィリ http://www.fili.co.jp