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チベット密教

チベット密教(体験談)

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私はチベット仏教の[読経・瞑想]実践指導のクラスに通っています。ここでは、チベット人でチベット仏教を長年にわたり修行されている僧侶が全ての講座を担当されています。このように書くと、何となく仰々しくてとっつきにくい感じをもたれる方がいるかもしれませんが、実は先生方は、気さくで底ぬけに明るく、楽しい人達です。クラスでは先生は日本語で日常の出来事をまじえながらチベット仏教の教えや考え方を易しい言葉で話してくれます。堅苦しさが全く無いので、お話しを聴きながら、湧いてくる素朴な疑問や考えについても気軽に質問できます。そして先生も、ご自分の修行で得られたことは私達が理解できるように一生懸命に伝えてくださいます。また、先生は謙虚な方なので『私も皆さんと同じ修行の身です。一緒に一歩一歩、進んでいるのです』とよくおっしゃいます。リラックスして肩に力を入れずに、しかも本ではなく、実際に修行なさっている方からチベット仏教を学ぶことができます。
一週間に一度、1時間半位忙しい日常から離れて、ここに集まる人達と一緒に声をそろえてお経を読むことに没頭する。みんなで声を出して合わせ、共鳴したお経が流れる場に身を置くことは、とても心地の良い体験です。心が宇宙へ拡がりながら漂っているような、そんな感覚になることがあります。そして、残りの時間は瞑想をします。この時間は私をリフレッシュさせてくれます。
このクラスに通い始めたのは、以前に何度か大病をしたことがあり、チベット仏教の思想を自分にとり入れることで、病いと痛みという状態を解放したいというのが主な動機でした。以前は痛みがある時には、先の見えない不安から「このままジワジワと悪くなって、一生この病いが続くのでは」などと自分を苛むことがありました。痛みはクラスに通い始めた後も、たびたび私を悩ませました。
ある日、その話しをすると先生は、『痛みも空(くう)ですよ。1年中続くわけではありませんね。痛むときもあるけれど痛くないときもあるでしょう』とおっしゃいました。「そうか明日は痛くないかもしれないな」と思うことができました。見方を変えることで自分が本当に楽になり、同じ状態はいつまでも続かないことをを実感しました。

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また、観想という考え方は、すごく好きとか、すごく嫌いという想いをだんだん無くしていって、出来事すべてが自分にとって同じであるという視点で、人や物事を見ていくことを教えてくれました。これによって目の前にあることにあまり影響されなくなり、客観的に自分が見られるようになりました。チベット仏教に対する理解が深まってくるにつれ、ここで学んでいることは、日頃の生活の中からも見えてきます。このような観点を通して、暮らしや自分をとりまく全てのもの、そして自分の生き方に、いつも何かしらのヒントをもらっているような気がします。
(主婦・40代・女性)

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