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チベット密教

チベット密教(詳細)

生起次第と究竟次第

無上瑜伽タントラの修業には、生起次第と究竟次第の2段階がある。生起次第では、瞑想の中で曼荼羅を作りあげ、本尊と修行者との一体化を図る。究竟次第では、精神生理的な修業を通じて、仏陀の境地へ到達することを目指す。人間の身体には、普通の器官よりも遥かに微細な次元で、チャクラ、脉管、風、滴といった精神生理的要素があるという。瞑想の中でこれらをうまくコントロールして、普段は現れることのない能力を活性化させ、それによって究極的な真理を覚る。これが、究竟次第の眼目なのだ。
代表的な無上瑜伽タントラ『秘密集会』の究竟次第では、人間の死、そして死後の世界である中有、さらに来世への再生といったプロセスを、瞑想の中で疑似体験する。そして、風の制御を通じて自らの心身を完全に浄化しきったとき、生きながらにして仏へと生まれ変わることができるのだ。
また、『カーラチャクラ』の究竟次第では、下半身に内なる火を燃やし、その熱で頭頂にある滴を溶かす。溶けた滴が身体中央の脉管で積み重なっていくのに従い、修行者の日常的な身体は、本尊の清浄な仏身へ転換されるという。
こうしたユニークな修行法は、無上瑜伽タントラ独特のものであり、チベット仏教だけが本格的に伝える宝の如き教えだ。しかし、誰でも簡単にこれを実践できるというわけではない。まず第一に必要なのは、正しい教えの流れを継承した導師から灌頂を受けることだ。灌頂とは、密教の本尊と縁を結び、修行の実践へ入る許可を得るための重要な儀式である。灌頂の壇に臨んだとき、弟子は「何のために修行するのか」と自らに厳しく問わなければならない。
密教の門へ入るために必要なことは何かといえば、特に出離、菩提心、正見の三者が大切である。

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