アート・セラピー
アート・セラピー(詳細)
絵は自分の投影
アート・セラピーの手法としては、風景構成法、HTP法(家や木、人を描く)、バウムテスト(木を描く)などがあるが、一例として、『オートマチック・ドローイング』を紹介しよう。「今、ここでの感情・喜怒哀楽」や、「自分にとって一番よい状態」を知るためのやり方である。素直になって画面に向かい、ただ線を描けばよい。描かれる線に自分の持つすべてが託されていく。この線には、本人の感情、体、考え方、エネルギーのすべてが投影されているのだ。それは、潜在意識からのメッセージやサインになっている。
また、描くという行為は、雑念を取り払い、心を落ちつかせ、内面に注意を向ける状態を作り出すため、心に浄化作用をもたらし、ひいては『治癒力』を目覚めさせる。このほかにも、音楽に合わせて描いていく方法や、『体感画法』といって、絵と対話していく方法などもある。現在、アート・セラピーは、精神医療の立場からだけではなく、健常者を含めた人間の成長という観点からも注目されている。成長するためには、自分を観ていく必要がある。絵は、そのための優れた媒体なのである。