ドリームワーク(詳細)

忘れられた、もうひとつの現実―夢。毎夜訪れる異次元の空間、自分の知らない自分の世界。そこでも私たちはリアルな経験をしているのである。古来から、人々は夢を神のメッセージとしてその意味を深く考え、病気を治し、問題を解決していた。古事記やギリシャ神話、聖書では、夢のお告げによって危機を乗り越える逸話を随所に見出すことができる。
しかし、近代科学が発達してから、人間の意識が尊重されるようになり、知識、教養というものと引き換えに、夢への信頼性はしだいに薄れていった。夢は単なる幻影と思われるようになり、ごく一部の人たちだけが、情報として使っていた。19世紀になると、夢が科学の対象になり、生理的な刺激が夢を引き起こすという生理学説が発表された。フロイトはこの説に異を唱え、夢の解釈の心理学の基礎をつくった。