アロマテラピー(詳細)

なぜ香りが効くのか

精油は皮膚から極めて容易に吸収され、体全体の組織に影響を及ぼす。では、どのような経路で効果を現すのだろうか。嗅ぐことで肺から吸収されて血流の中に入り、体に直接的な効果を与え、また、鼻の嗅細胞でキャッチされた刺激が嗅神経を通じて脳の旧皮質に伝わり、生理的、感情的な領域に働きかけることなどが知られている。その結果として、精油は病気を招くアンバランス状態から、健康で幸福であるバランス状態へと戻る助けになるのである。
肉体的バランスだけでなく、知的・精神的バランスをも維持しようとするところに、アロマテラピーのホリスティックな特色がみられる。アメリカでは、指圧や鍼と併用することで効果を増しているという。多くの芳香療法家が中国の陰陽の概念を取り入れているのは、そのためなのだろう。
興味深いのは、精神的トラウマや、いやな記憶が香りと結びついている場合には、その香りを嗅ぐことでその場のことを思いだし、ヒーリングのきっかけにできるということである。これは、脳の旧皮質のすぐ側にある海馬という場所が記憶の領域であるため、嗅神経を通じた刺激が旧皮質に伝わるのと同様に海馬にも伝わるためである。
また、精油のもつ色と波動で、魂のレベルにまで働きかける、オーラのクレンジング（サトル・アロマテラピー）という方法もある。