ヨガ(詳細)

ヨガというといまだに美容体操の一種だと思っている人が世間には多い。もちろんカルチャーセンターなどで行なわれている「ヨガ教室」の多くはそのような趣旨でヨガを教えているのだが…。
しかし、同じヨガでも痩せるための運動として行なうのと、体への気づきを保ちながらボディワークとして行なうのとではその効果は大きく異なるはずだ。
では、その「ヨガ」とはそもそも何なのだろうか？インドの古い聖典『カタ・ウパニシャッド』には、「5つの知覚器官（眼耳鼻舌身）が意（思考器官）とともに静止し、さらに覚（理性）も働かなくなった時、人はこれを至上の境地という。このように心の諸器官を固く抑止することを、人々はヨガとみなす」とある。また、インドの聖哲パタンジャリが記した『ヨガ・スートラ』ではもっとシンプルに「心の作用を止滅することがヨガである」と述べられている。
思考や感覚の働きが停止したこの意識状態はサマディーと呼ばれ、この状態に達することを「悟り」という。ただほとんどの人は「悟り」といわれてもピンとこないだろう。「ヨガ」という言葉自体には「合一」という意味もあるので、「個と宇宙（全存在）との合一」という表現でもいいのかもしれない。そして、そのための方法こそがヨガの行法である。